Jaeger-LeCoultre

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Jaeger-LeCoultre

 

スイスのル・サンティエに拠点を置く、1833年創業の名門マニファクチュール

 

ロレックスやオメガのように、一般的な知名度は決して高くはないものの

その歴史や高い技術力などから、腕時計愛好家からの根強い指示を受ける

 

その歴史の中で、

カルティエ、パテック・フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタン、オーデマ・ピゲ

錚々たる顔ぶれのブランドにムーブメントの供給元として選ばれてきた、まさに「名門」

 

今回はそうしたジャガー・ルクルトのアンティーク時計をご紹介いたします

 

 

まずはそのルーツからブランドの魅力を掘り下げてみたいと思います

 

スイスの時計産業発展の歴史は、

ユグノー(フランスのカルバン派プロテスタント)たちが宗教弾圧を逃れ、

カルバン派の本拠地であるスイスに渡ってきたことから始まります

 

予定説と呼ばれる彼らの思想は、

 

魂の救済は人間の意思や行動には左右されず、

絶対的な権威を持つ神によって予め定められている

 

自分が救われる予定なのか否か、それを知るためには

神から与えられた現世での仕事を天職として全うし

それが成功するかどうかで判断できる

 

というようなものでした

 

スイスへ亡命したユグノーの中には時計職人も多く、

彼らはその教えに従い、自らの仕事に精を出し技術を磨き

スイス時計産業の礎を築いていきました

 

実際にスイスの時計ブランドの多くはユグノーとの関わり合いがあり

 

例えば、時計の歴史を200年早めたと言われる天才時計技師、

アブラハム・ルイ・ブレゲもユグノーの両親の元に生まれ

 

そして今回ご紹介するジャガー・ルクルト

 

そのルーツもまた、ユグノーであるピエール・ルクルトが

宗教的迫害を逃れてスイスに渡ったことから始まります

 

 

初めにピエールはジュネーブに渡り、

その後1559年にはジュウ渓谷へと移り住み

ル・サンティエの街の形成と発展に尽力していきます

 

それからしばらくして、1833年

ピエールの血を受け継ぐアントワーヌ・ルクルトが時計工房を開いたことで

時計メーカーとしてのジャガー・ルクルトの歴史が動き出します

 

当時のスイスにおける時計作りは

ケースや文字盤、ムーブメントやパーツ、

それぞれを専門に作る職人・工房が担う完全分業体制が主流でした

 

1866年、

そうした中でルクルトは、ジュウ渓谷で初めてそれぞれの技術を一堂に集結させた工場

“LeCoultre & Cie”を設立します

 

ここから自社一貫生産の実現、所謂マニファクチュール体制が確立されいきます

 

この体制は設立から260年近くの時を経た今もなお貫かれ、

高い技術と

ジャガー・ルクルトが「真のマニファクチュール」と称される所以でしょう

 

20世紀に入ると、当時工場の製造責任を担っていた

アントワーヌの孫であるジャック・ダビド・ルクルトと、

パリに拠点を置きフランス海軍向けの時計を製造していたエドモンド・ジャガーが邂逅します

 

そこからジャガーのムーブメントをルクルトが作るといった協力関係が始まり

1937年、遂にはジャガー・ルクルトが誕生します

 

 

そこから今日に至るまでジャガー・ルクルトは

数多くの名機・名作を世に送り出し続けております

 

技術力の向上、生産体制の確立、それに伴う事業の拡大

常に前進し続けるその姿勢はユグノーの血を継ぐルクルトだったからこそ

 

それ故にその革新性と高い技術から、

名だたるブランドからムーブメント供給を求められた

スイス時計産業発展の立役者

 

それが今回ご紹介するジャガー・ルクルトです

 

 

こちらは1950年代に生産された一本

 

経年によって変色した文字盤が味わい深く

アンティークらしい、趣ある表情を見せます

 

 

アラビアインデックスにレイルウェイミニッツサークル

 

スモールセコンド仕様にブルースチールで縁取りされた針

 

ミリタリースタイルなデザインでありながら

全体的なバランスの良さが品の良さを醸し出します

 

 

良く見てみると、

文字盤中央、ミニッツサークルの内径が盛り上がった立体的なデザインで

工芸的な美しさを感じさせます

 

 

ステップベゼル仕様のケースデザインもまた

細かな職人技が光り、他とは一味違った印象に

 

 

正面から見るとシンプルで直線的に見えるラグも

横から見ると猫足ラグ的な丸みを帯びた凝ったデザイン

 

 

艶消しのSSケースもまたミリタリーウォッチを思わせますが

ドレスウォッチとしても遜色のない薄さで

非常に腕なじみが良く、上品に腕元を飾ります

 

 

 

実用的な中身(ムーブメント)はもちろんのこと、

こうした意匠の数々も技術に長けたルクルトだからこそ

 

日常に溶け込みながら、さりげなく個性の光る逸品

 

Jaegar-LeCoultre small second style watch ¥218,000 (tax included)

年代:1950s

ムーブメント:Cal. P480/C (手巻き式)

ケース素材:SS

ケース幅:32mm(リューズ含まず)

ベルト幅:16mm

6ヶ月保証

※専門の技師によるオーバーホールを終えた後にお渡しさせて頂きます。

 

 

さて、

ここまでは私、taroが長々と語らせていただきましたが

ここからはmuu氏へとバトンを渡し、

女性目線にてレディースモデルをご紹介させていただきます

 


 

代わりまして、私muuより、

レディースにおすすめのルクルトを1本ご紹介。

 

小ぶりサイズのレディースアンティーク時計は、

今まではROLEXやOMEGAが主要。

 

ボーイズサイズなどユニセックスで多く見てきたルクルトから

まさかレディースモデルが届くなんて、思ってもおりませんでした。

 

 

服装はカジュアルでも、ちらりと見える小物は女性らしく。

もちろん、日常使いだけでなくフォーマルなコーディネートとも合わせられる。

これが私の中でも定番となってきました。

 

すべてをカジュアルにメンズライクにまとめるのももちろん素敵なのですが、

時計や靴、バッグなど小物だけは…と、どこかに女性らしさを加えると、

“大人の女性のかっこよさ”を感じて素敵だなと、目を惹きます。

(お洋服や小物はもちろん、髪型やメイクの仕方など本当にどこでも良いのです!)

 

と、少々脱線しましたが。

 

 

そんなこんなで、今回素敵なレディースウォッチが色々と届いた中で

1番最初に気になったのが、このスクエアフェイスの子でした。

 

以前は丸いフェイスが可愛らしくて良いなと思っておりましたが、

年齢を重ねるごとに、“大人の女性のかっこよさ”を

より感じるスクエア型に惹かれるように。

 

 

多少甘めなお洋服と合わせても腕元を引き締めてくれてちょうど良い塩梅に。

可愛らしい時にはかっこよく、カジュアルな時には上品に。

 

ちょうど良いバランスに調整してくれるという

とっても重宝すること間違いなしな1本です。

 

腕元からちらりと覗くだけとはいえど、侮れません。

 

 

女性の腕に綺麗におさまる19mmのフェイス。

 

腕の華奢さを強調するには、あえて大きめサイズを選ぶだけでなく、

線の細いアイテムでとことん華奢に、という見せ方も。

 

メンズライクなお洋服やオーバーサイズのお洋服を着ていても、

袖口からちらりとのぞくと、女性らしさをしっかり感じられます。

 

 

角のないスクエア型がかっちりしすぎず、

可愛らしさとかっこよさとどちらの雰囲気も併せ持つのも魅力的。

 

リューズも薄めなので、スクエアのデザインを邪魔しません。

 

 

インデックスはアップライトになっているので、

光に当たるときらりと光り、ジュエリー要素も。

 

 

12,3,6,9は可愛らしい丸みを帯びたアラビアインデックスになっておりますが、

その他の部分はくさび形インデックスですっきりとした印象に。

 

1950-60年代によく使用されていたこのくさび形インデックスは、

よりアンティークらしいクラシックで落ち着いた雰囲気も感じられます。

 

 

ケースは肌馴染みの良いゴールドでよりジュエリー感を強めるのかと思いきや、

シルバーでかっこいい印象を受ける腕元に。

さらに、ほんのり焼けている文字盤の色味がまたいい味を出しております。

 

 

程よいケースの厚みに

アンティークらしいぷっくりとした風防も忘れずに。

 

どの角度から見ても魅力的です。

 

 

こんな小さなケースの中に、たくさんの歯車が

綺麗に並んでいるのかと想像するだけでぐっときますが、

自分の手で、その止まっていた歯車たちを動かす。

 

リューズを巻く時のゼンマイが巻かれている時の音。

 

カチコチと歯車が動く音。

 

すべてが愛おしく思えます。

 

Jaegar LeCourtre Ladies ¥248,000(tax included)

 

年代:late 1950s – early 1960s

ムーブメント:手巻き

ケース素材:SS

ケース幅:19mm(リューズ含まず)

ベルト幅:12mm

6ヶ月保証

※専門の技師によるオーバーホールを終えた後にお渡しさせて頂きます。

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以前使われている方が大切にしていた時計が受け継がれ、

新たな思い出がまた刻まれていく。

 

電池式の時計よりも手はかかるけれど、

だからこそ大切に、一生を共にしたくなる。

 

なんでもない日の気分を上げ、ときめきを与えてくれるアイテム。

 

ぜひ、そんな子とみなさまが出会えますように。

 

muu

 


 

いかがでしたでしょうか

 

エイメクがおくるジャガー・ルクルトのアンティーク時計たち

 

おおよそ同じ年代に作られた2本

 

 

男性向け、女性向けの違いは当然あるものの、

共通して実用的な中にもエレガンスを感じさせる細かな意匠の数々

 

計算されたその品の良さと完成度の高さは

 

ユグノーの血を引き、高い技術を培った

歴史的な高級マニファクチュールであるルクルトだからこそ

 

ぜひ、その魅力をご堪能ください

 

taro