2019 秋 欧州渡航記  明と暗 後編 @Kodaira

台風19号、温帯低気圧による長雨により、被災された方々心よりお見舞い申し上げます

皆様の一日も早いご再建をお祈りいたします。

 

 

7カ国/18日間の旅路を語る後編

フランス-ドイツ-ポルトガル-オランダ-ベルギー-フランス-イングランド-スコットランドへ

コラム前半ではポルトガルの道中までレポート

ここからはアンティーク雑貨、ビンテージの仕入れへとアムステルダムへ…

素敵なゲストにも会え、料理も全て大当たり、移動手段も順調過ぎ

ここまでの旅程は正に順風満帆…

 

 

そう…

 

 

ここまでは…

 

 

アムステルダムへ移動し、アンティーク雑貨の買い付けが再び始まり

タイトな行程が予測される中エイメクより呼び寄せた切り札ジョーカーは

タロウ氏…が、ここから流れが180度変わってしまい

可哀想だがここからが数多くの試練が待ち受ける…

 

渦中の香港経由をウキウキで西進するタロウ氏キャセイパシフィック…

ここからはあまりにタイトかつ、衝撃的な場面が多かった為、画像では残された物が少なく文章メイン

*映像として残しているタロウの欧州散歩があるのですが

こちらをエイメクインスタグラムのストーリーズとして掲載させていただきます(閲覧注意!!)

ご興味と勇気があればこちらと、文章と共に追って頂けたら幸いです

 

 

 

Schiphol Airport  / Amsterdam

前日夕方にポルトガルからオランダ入りしたコダイラ

小雨舞い、陽気は打って変わり肌寒い

翌日、タロウ氏を空港でピックアップする訳だが、今晩の私の宿泊場所で迷う

 

理由は

ここ数年、びっくりする位アムステルダム中心地のホテルが高い

ドミトリーで100ユーロ超えとか、誰が泊まるのかと思ってしまう

 

2019年2月、仕入れの為単身アムスに泊まったハシツメに

『いや~あそこのホテルの床ヌルヌルしてもう泊まりたくないです』と言われてしまったが

実は、その時の欧州出張にて一人当たり一泊単価は最も値が張る宿であった

 

それ位今のアムステルダム、特に週末のホテル事情は悪い

私も色々迷った挙句、100ユーロ払って共同シャワーの部屋など泊まりたくない

 

移動手段があるのであれば、アムスを逃げ出した方が吉

空港から車をレンタカーし、30分中心地から車を走らせた農場経営B&Bがお得で、宿主も心暖かい方が存在する

案の定ホストファミリーはとても安心できる方、広い部屋、かつ素晴らしいバスタブが備えられ

明日からのタイトな行程に備えしっかり湯船に熱い湯を貯め身を沈める…

 

 

 

迎えた翌日

アムステルダムスキポール空港にて長旅の疲れを感じさせず、いい感じに研ぎ澄まされた表情のタロウ氏と合流

10月5日の私の手帳に記載されていたスケジュール

 

A    7:00   タロウピックアップ / 仕入れ開始

B    12:30     仕入れ終了

C    13:15   レンタカー返却

D    13:30   アムステルダム空港行きのシャトルバス乗る

E     14:01   アムステルダム空港発-アムス中央駅の電車乗る

F     14:35   アムステルダム中央駅発-パリCDG行きの超特急タリスに乗り

G    19:00   パリにて予約したレンタカーへ乗車

H    22:00    翌日マーケットのあるアミアン近郊のホテルへ

I      7:00-    フランス/アミアンにて仕入れ開始

 

 

と言った、タイトな物だが、シミュレーションを重ね、勝負所の国同士の移動に慣れている私は大丈夫かと思っていたが、油断とギリギリの美学に対するしっぺ返しが待っている。

 

 

 

 

アルファベットのDの行程まではなんとかこなし後は

E行程、アムステルダム空港から-アムステルダム中央駅まで行くだけ

 

ここで私、やってしまいました。

 

プラットフォーム掲示板のAmsterdam Z

(これをアムステルダム中央駅のZ(セントラル)と思ってしまったのです!ドイツ系によくある読み方と勘違い)

 

言い訳はあまりしたく無いが、スキポール空港からの電車の案内板は 『Amsterdam … 』とにかくアムス行きだらけ、北、中央、南、経由だか、何だか…

 

14:05分に慌ててそのミスに気付き、プラットホームを変えるもの、無情にも中央駅行きの電車は発車….

次の電車では間に合わない

地上に出て、14:35分発のタリスに間に合ってくれ!!と

炎のタクシードライバーを探し交渉するも道は渋滞で皆首を振るばかり….

 

仕方なく、次の電車でアムス中央駅を目指すもの、駅に着き、幸運にも遅延があり発車寸前

 

ダッシュで猛然とプラットフォームへ向かうも

パリス行きのタリスは無情にも警笛とともにゆっくりと走りだし

 

…..嗚呼パリスへ….

 

私のギリギリの美学にバチが当たった瞬間、かと言って仕入れの時間は減らす事が出来ない

何度も迷った上決行したプランが破綻

 

ここからが一休さんのようにベストアンサーを求められる時

仕事の為、私たちは I 行程、翌日7:00にフランスアミアンに降り立たなくてはいけません

 

 

『ポクポクポク…チ~ン!!』

 

 

1案 その後のアムス-パリ間の電車(片道2名440ユーロ)….いや~まだ経費的に安いのあるだろ

2案 ではアムステルダム空港戻ってエアーにてパリ行きなら…..(片道2名1,200ユーロ)……ファ~~、無理

3案 じゃあもう夜間バスでいいや(丁度最終便が10分前に出発)…..涙

4案 もう運転してくぞ! レンタカー、アムス借り入れ-パリ乗り捨てだ!(パリ乗り捨てプラン,プラス400ユーロ)….アハ~、これは無理

 

 

経費はこれ以上かけられない、でも目的地は辿り着かないといけない

 

そこで、目につけたのがベルギー首都ブリュッセル

ここからは目的地フランス-アミアンへ 200km

 

今からのダイヤであると20時にはブリュッセルに着き

ここでレンタカーを借りることが出来れば、フランスアミアン近くに予約した宿にはチェックイン出来る…

 

答えが弾き出され、アムステルダム中央駅-ブリュッセル行きのチケットを購入し、希望の電車に乗り込む

 

しかし、ここでも上手くいかないのが、流れを引き戻せない負け試合の程

アムステルダム-ロッテルダム駅からロッテルダム-ブリュッセル行きのタイトな乗り換えが生じるチケットであったのだが

またしてもアムステルダム-ロッテルダム間の電車がノロノロ運転…

 

嫌な予感は又しても的中

 

人生初の、2回連続ドアの所まで行き、電車が発車する屈辱を味わう…

チケットを取り直した、ロッテルダム-ブリュッセル間の急行電車も待ってもくれず行ってしまったのだ…

(これ本当の話です)

 

 

タロウ氏駅員に怒りのクレーム

 

タロウ『こんなタイトなダイヤのチケット売るのか』

 

駅員『はい、これがヨーロッパレイルウェイ、一時間後に同じダイヤあるからそれ乗ってブリュッセル行ってね』

 

あっけなく終了

 

淡々とした返しに、切り返す体力も最早無く、待ち合い室にてお互い疲れ果て放心状態

かなり途方に暮れながら、レンタカー会社の再度変更を試みて、結局ブリュッセル空港でレンタカーすることに

 

もう私のレンタカー会社からのメイルは

お前よー、10月5日パリで予約して、ブリュッセルで2件車予約してどうなってんだと

自動送信であろうメイルが止まりません…涙

 

21時、ブリュッセルへ到着

 

レンタカーダブルブッキング事件のバタバタから

ピカピカのVOLVOのマシンがセッティングされていた時はもう涙もの

23時、無事フランス国内のホテルへ到着しました。

 

 

 

 

翌 10月6日

無事、フランスでの仕入れを終え荷物の動向と次の目的地へのカウンター策も考えねばなりません

 

当初はパリ(CDG)空港でのレンタカー

10月7日 16時に パリ(CDG)ーロンドン(LHR)間のフライト

しかし、予定を変更した為、車をブリュッセルに返し、またパリへフライトの時間に戻ってこなければなりません

 

危機が更に続く10月7日、次なる作戦は

西部戦線をコダイラ、タロウ両方向から行進し、パリ(CDG)空港にて落ち合うもの

私、コダイラが70キロの荷物を持ち

アルベールという田舎町-ブリュッセルにて車返却-TGVにてパリCDG着(これまた乗り換え時間がタイト)

 

一方タロウ氏、アルベールの宿からTGVが発車するオートピカルディ駅近郊の郵便局にて

彼と荷物80キロをドロップ-郵便局で荷物を軽くし-オートピカルディ駅よりTGVにてパリCDG着

 

『頑張ったな~』

涙のハグ合流ストーリー…になる筈であった…

 

 

まず、私コダイラの西部戦線から

アルベール-ブリュッセル間

見た事ないような大渋滞…涙

 

これはもう予約したブリュッセル-パリCDG空港行きのTGVには間に合わない…

 

もう連日、こんなのばかりでもう胃液が逆流しまくり

ハンドル握る手が震えながら、出した決断

 

『場所、変える』

 

返却先をブリュッセル空港からTGVが発車するブリュッセルミディ駅に変更

ドロップ先が変更となりチャージが取られるのだが

同じ国内で距離がそこまで離れてないとチャージ額も少額(15ユーロ程)

70キロの荷物と共に、ブリュッセル駅構内を猛ダッシュ

遂にパリスCDG行き10:36分発車のTGVを無事キャッチ

 

一方、タロウ氏の西部戦線

アルベールの宿から郵便局に降り、私と別れる

オートピカルディの郵便局にて、夜明けと共にゆっくりと開始時間を待つものの

9時が近づくも開店する気配なし

月曜日

 

郵便局よ?やらない訳ないでしょ

 

 

ようやく、営業時間を覗き込む

 

月曜日

14時から…笑

 

どこの先進国の郵便局が14時からと予想するだろうか

 

そんな事を言ってもここはフランス、そんなルールなど存在しないのだ

 

タロウ氏固まる..

 

タロウ氏悩む..

 

タロウ氏決断…

 

『兵、走る』

 

 

さながら大混戦の西部戦線、80kgの重装備を担ぎながらマジノラインを疾走するドイツ兵

彼がヨーロッパ人と間違えられるルーツをも発見した瞬間でした

 

郵便局から-TGVオートピカルディ駅までは2.4 KM

両肩に紐が食い込む大バッグ2つ、背中にリュックサック、スーツケース1つ

80kgと2.4km、彼は何を感じながら道を踏みしめたのか

心に流れていたのは『兵、走る』はたまた『サライ』

 

とにかく忍耐強く行進を続けた、オートピカルディ駅発10:45分パリス行きTGV無事トライ!

パリCDG空港で涙の再会!!

 

と、行きたかったところだが

違う意味のジョーカーを引いてしまった今回のタロウ氏

うっすらと彼の背中にはキングボンビーも見え始め

まだ不幸は終わらない

 

エアフランスのチェックインカウンターでもこの80kgの荷物どーすんだと散々突っ込まれる

 

何はともあれ、命と皆様用の商品は死守し、ラスト2カ国

イングランド、スコットランドへ

 

 

Scottish Border 

 

 

???『見てください、この羊!スコットランドです!スコットランドが広がっております!!』

 

あれれ、羊がどんどん逃げていくよ

タロウ氏、沢山の羊に迎えられ?

スコットランド入国

 

日々ニットを織る材料として、大好きなラム肉として

我々が足を向けて寝られない、羊さまと温和なスコティッシュは今回タロウ氏には微笑まなかったようだ

まだ、キングボンビーを振り払えないのか

 

 

 

CAMPION HAGGIS 

 

タロウ君ハギスって知ってるか??

 

知りません!!

 

チャンピオンハギス食べながら帰るか??

 

ハイ!!

 

 

ハギス

羊の内臓を羊の胃袋に詰め茹で上げたスコットランドの郷土料理

何とも言えない初めの一口から徐々に癖になっていく魔法のおつまみ、当然ビールなどにもピタリ

ちょいちょいつまみながら、美味いから手が止まらない

 

イングランド国境を目指していく我々の車内は徐々にハギス口臭がお互いどえらい事に

目を合わせ、凄い口臭に、黒くなった口、ようやくお互いに笑顔が

色々な事があった今回の旅路の緊張が解け、ようやくゴールも見えてきた瞬間、歌、歌いながら帰りましょ

 

 

 

 

いかがでしたか

欧州の歴史を噛み締めながら

古き良きもの

受け継がれし伝統工芸をめぐる買い付けの旅レポート

大きなハプニングを経て、一歩一歩成長を重ねるタロウ氏

 

綺麗なストーリーだけで片付かない裏事情がこんな所にあり、1品1品は店頭に並びます

お店でまた詳細を交えながら皆さまとワイワイできる時を楽しみにしております 

 

 

 

kodaira

 

 

p.s. 

ハプニング、タイトなスケジュールありで画像足らずで申し訳ございません

映像として残しているタロウの欧州散歩があるのですが

こちらをエイメクインスタグラムのストーリーズとして掲載させていただきます(閲覧注意!!)

ご興味と勇気があればこちらと、文章と共に追って頂けたら幸いです