October 2016 / Antiques Hunting Report in Germany , United Kingdom / KODAIRA
『Today is yesterday’s pupil』。。。。
これは『温故知新』に対する英訳の1つだそうです。。。
エイメクの掲げた今回のテーマは『温故知新』
海外ビンテージ、アンティークの買い付けを初めてから14年目、回数に換算すると50回目となります。。。。
ここ、6年位はスタッフをパートナーとして連れ添って買い付けをこなしておりました。
パートナーがいて買い付けの枠が増えて嬉しい事もありますが、諸々のデメリットも当然生じます。
この6年はとにかく新規ルートを開拓し続け
イギリス-フランス-ドイツ-オランダ-ベルギー / 果ては新品はスペイン-イタリア-オーストリア-チェコ-ポーランド-ハンガリーと回りました。
気づいた時は仕入れルート至上主義となっており、マーケットと商談と運転の繰り返しで
写真一つなく、あまりの慌しさにどこを回ったか、どこの都市に行ったかも分からなくなってしまっていました。
『これはイカン。。。。』
そもそも、初めてヨーロッパに買い付けに出たのはおこがましいですが、旅のおすそ分けがしたくて。。。。
自身が感じた事を店頭でのお話と写真を交え、当時はウェブも少しでしたが通じてお客様にもお土産を届けられたらと。。。。
商品はその付け添え。。。。の筈だったのですが。
そんな昔のテーマに帰りながら、原点回帰して今一度企業を見つめ直し
前回のコラムに挙げた『開拓』を訪れた都市数を、ただ単にマイレージを稼ぐだけではなく真実味溢れるものに変えていこうと思いました。
1.1人での仕入れ
2.仕入れ、移動にかける時間の短縮
3.元々写真が撮りたくて行っていた旅行
4.旅のおすそ分け
上記を織り交ぜ本当の古き良きを知りに行く『温故知新』の旅が始まりました。
旅の間撮りためていた写真で少しづつ記事を挙げた私の
Instagram @eiji_kodaira
をベースに焼き直しと追加のレポートをしたいと思います。
Tokyo – Frankfurt
画像はお隣の駐機場のフィンエアーを思わず写してしまいましたが
シップ JA865J / 機材はB787-9にてドイツ、ルフトハンザの旗が意気揚々と靡くお膝元フランクフルト国際空港入り。
最近めっきり多くなった日系エアラインでの欧州入り。
あれだけマイルが貯まりまくったデルタスカイマイルも去年のまさかまさかの改案でスカイチーム熱も冷め、最近は浮気し始めてます…
マイレージの都合でJALが多くなりますが、最近は締めがミュンヘンの仕事が多く、スターアライアンスのルフトとANAがミュンヘン-東京の直行飛ばしてるんですよね…羨ましい
中欧のスターアライアンスのネットワークの広さに後ろ髪引かれつつ、JALも団塊世代ラブの脱却を図ろうと色々変化が見受けられ楽しいフライトでした。
同日ICEにてフランクフルトよりカールスルーエに移動。
Messerschmitt watch 新作の打ち合わせ/Aristo デッドストックの掘り出し、アンティーク時計を探してきますがこちらのレポートは後編にしかと。
Düsseldorf Central Station
プフォルツハイムでの仕事を終え、IC(インターシティ)にて約4時間、デュッセルドルフ中央駅に到着です。
Düsseldorf Flingern
デュッセルドルフ中央駅から東へ徒歩15分位のフリンガーンエリアが素敵な路面店やカフェがあるという事でホテルチェックイン後向かってみました。
いいお店多いですね、ベルリンのミッテより少し北のエリアを彷彿させる佇まいです。
Vintessa Düsseldorf Flingern
Flingern地区を回っているとビンテージワインの専門店発見
ここがかなりの私好みのセレクト
ドイツならではのリースリングも良し、更に話し込むと出てきちゃいました、蔵から2013の赤。
その名も『JEWEL 2013』
お土産であげたものの…余りに飲みたくて自分から『開けましょ』って。。。恥
美味しすぎて半分くらい飲んでしまい、正に宝石級のお味でした。
樽ごと持って帰りたい気分です。
Vintessa
Dreieckstrase 20 Düsseldorf
www.vintessa.de
Love photograph !!
仕事は明日から
本日はこのフリンガーン地区をくまなく写真を撮りました。
今回の原点回帰のテーマでもある写真。
2000年から『LOMO LC-A』片手に写真を撮っており
『この写真、いい感じのローファイですね。。』エイメクのお客様とも必ずと言っていい程写真の話をしていました。
フィルムも使い過ぎてAgfa社から表彰をされるのではないかと思った位。。。。
2010年位からのデジカメとスマホの台頭で画像加工のレベルの高さにガッカリして、いつしかその次の時代についていく事が出来なくなり
写真の楽しさを忘れてしまい
仕事でしかシャッターを押す事はなくなりました。
カメラはアイホンですがまた写真を撮っていこうと決めた今回の旅、アングルとモチーフは変わる事ありませんでした。
皆様もお気づきかもと思いますが
私の写真は大体どこかにタイポグラフィが混じっているのです。
ヨーロッパのタイポ、CIロゴ、ピクトグラム、ブルーナや東欧タッチのイラストに燃え上がっていた私のソウルは未だ鎮火しておりませんでした。
雑貨屋であるエイメクの商品ルーツはそんな所にもあるのです。
Düsseldorf Watch Exhibition
素晴らしいロケーションでのアンティーク時計展
今回最高のアンティークウォッチ買えてますよ!!
Euro Wings Düsseldorf – London Heathrow
Eurowings
シップ D-AEWI / 機材 A320-200
デュッセルドルフから-ロンドンへルフトハンザの子会社ユーロウィングス
デュッセルドルフからかなりの都市へ飛ばしております。
Lincolnshire / United Kingdom
英国上陸を果たしすぐさまレンタカーへバトンタッチ
北上300キロ Tuxfordというメチャ小さい町の宿へ21時ギリギリにチェックイン。
翌日はアンティークスフェアへ
今にも手が届きそうな雲
再び目をやると同じ雲はもう見れません。。。と思ったら凄いシャワーが
これがイギリス名物ブリティッシュウェザー
ツンデレ娘を見ているかの様です。
Love vintage dealers !!
買い付けの命運を握り、常にお世話になる商人達。
皆様とてもお洒落かつ個性的、おば様特にオシャレで可愛いですよねー。
たまには厄介なケースも。。。
一番下の子ブライアニーはいつもリクエストに応えてくれてエイメクのお客様好みのビンテージを揃えてくれます。
只彼女は一つ悪い癖があり…
買ったものを預かってもらい
14時に取りに行くからと念を押しても
彼女は飽きてしまって13時に帰ってしまうのです。
私がもぬけの殻になっているストールで慌て蓋めいていると預けた商品を探すのつぎのヒントが出てくるのです…
面倒ですがそれを楽しんでいるのか、毎回違う結末が待っています…
今回も例によってもぬけの殻になっており、私が右往左往していると無線を持った係員が駆けつけ、何と今回は運営事務所に預けられてました…
これもまた1つのストーリーですね…
尚更の事、日本でお客様に紹介する時は親しみも湧いてしまうのです。
Done hunting !!
商品も集まって来ました。
花が映えそうなビンテージボトルにソーイングボックス
チェコのウッドスツール
木箱にとても大事にレザーを育てられ良い質感に出来上がったビンテージのレザーバッグ
こちらもかなりイイ感じにアタリが出たミリタリーコートですね。。。
初めて見つけた日本女性の様な線の薄いトルソーを今回初めて発見!!
左は100年以上前位のフランス産スーツケース、コイツらはブラウベルグ(BLAUBERG an der KÜSTE )に連れて帰ります。
Beverley / Yorkshire / United Kingdom
ヨーク州のヨークより東へ約30キロ行ったヴェバリー
ハッキリ言って只者ではありませんでした。
1200年-1600年位までのヨーロッパ中世時代に栄えた城塞都市。
その時に作られた城壁やモニュメントは今でも残されており
至る所が観光名所となってます。。。
と言うか、観光客は全然来てませんが私的には超オススメ。
ベルギーやオランダからもフェリーで来れるそうです。
St Mary’s Church Beverley / Yorkshire / United Kingdom
設立は何と1120年
1520年には塔の倒壊もありましたが、コツコツと修復を重ね現在までその形を維持した素晴らしい建築物です。
過去に数多くの教会を訪れましたが正直ここまで心を打たれたのは初めて。
思わず懺悔せずにはいられませんでした。
White Horse Beverley / Yorkshire / United Kingdom
入る前から只事ではない雰囲気を醸していたこのパブは1666年に住居として建てられ
床はめくり上がり、建物は斜めになりながら現在もローカルな人々の憩いのパブリックスペースとして存在します。
椅子やテーブルの使用什器も完全に年代が感じられます。
ビールは地物ヨークシャーエール、ラガー、その他揃えており
この雰囲気で何時間でも滞在出来正にタイムスリップ出来る素敵過ぎる場所でした。
買い付け時のナーバスになる時、ふとしたオアシスを頂きました。
Meet the best friends / Yorkshire / United Kingdom
そもそも何故このヨーク州のヴェバリーという街に来たのか?
その答えは上記の家族です。
ジョン / カヨ夫妻
彼らに初めて会ったのは2003年秋のロンドン。
2回目のヨーロッパでした。
今度は買い付けでイギリス行くぞ!!と
勢いだけは良くロンドンに降り立ちましたが、ラビリンスのロンドンヒースロー空港から暫く迷いに迷い出る事が出来ず。。。。
ようやくロンドン/パディントンにて安宿を五軒程交渉し、イギリス初の宿が決まる。
部屋に着いて荷物を開けようとすると、スーツケースの鍵を忘れてしまい途方に暮れ
まずはスーツケースの鍵を壊す所から始まった夢のユニオンジャックの国。
スーツケースの破壊に成功するとお腹が空いてくる
トラディショナルなパブへと足を運び
ギネスビールとフィッシュ&チップスをおもむろにオーダー。
2003年秋当時は1ポンド208円位でした。
よく分からずポンド紙幣を払い、2点でお会計3,400円のレシートを見ると、私の中でユニオンジャックの旗がしぼみ始め。。。
『俺この国でやっていけんのかな。。。。』
初日にエラく打ちのめされた記憶が蘇ります。
元気を出そうと初めて行った土曜日のポートベローマーケットでカヨは働いてました
たまたまそこで買ったビンテージのアクセサリーをきっかけにお話をして、私の浮かない表情を読まれたのでしょうか
『コダイラさんイギリス来たら沢山ビール飲んで楽しまないと、もう私たちと一緒に晩ご飯行きましょうよ!!』
そこで、彼女のマーケット仲間、今の旦那のジョンを紹介され
今は無き旧式ダブルデッカーのバスはバス停関係なく後ろの入り口から飛び乗って乗る事
そしてバスは2階の一番前が特等席、とにかくそこに行く事
パブでは立ちながらガバッと飲んで、ご飯は別で行くという事
びっくりする位美味しいブラジルのコロッケみたいな物
レバノン始めアラブ料理のお店はお酒置かないからお酒は持ち込んで皆飲む事
ロンドンの人々が行く誰も知らない日曜日のガレージセールの事
肝心のマーケットでの商談の駆け引きの事
全てが目からウロコ。。。
当時紹介されたカヨ、ジョン始め英語を巧みに操る皆が格好良すぎでした。
そんな2人は2005年結婚の為日本に帰国
いつしか私も2人には頼らず独立した仕入れも出来るようになり、音信は途絶えていったのです。
今年に入り、まさかと思ったジョン一家からのメイルをもらい12年振りにこのヴェバリーに訪れ再開を果たしたのです。
気付けば彼女も2児の娘を持つ母親。
私から見れば今も尚海外買い付けの師匠。
相変わらずサービス心旺盛に色々と町の事を教えてくれる姿は変わる事なく
数時間でしたが色々な話が出来て改めて人との繋がりの大事さを認識させられました。
エイメクでも最近嬉しい事に10年来のお客様と再開する事が多くなってます。
また商品は15年経過してまた当時展開していた同じ商品を仕入れたり、やはりテーマは不変の物へと感じさせてくれます。
背水に足を浸し飛び出した『温故知新』の旅
大事過ぎる言葉でした、お店でも皆様ととにかく会いたいです。