2006 冬 ベルリン、プラハ 旅行記 part3

プラハ中央駅に到着したのは夜の9時、そこから駅のインフォメーションでホテルを探します。
前回泊まったホテルと同じホテルを指名! ペンションプラハシティ、場所は中央駅からトラムで2駅程の好立地で、
何故かホテルの相場が高いプラハでは格安で泊まれるのだ。
ただそこのホテルの主人が無表情で何を言っても無口で、無表情。日本人が思う東欧人のイメージ丸出しなのです。
ベルリンからの移動もあり少し疲れていたので、急いでペンションにむかいます、
そしてチェックインの際パスポートの提示を求められるので鞄から出そうとすると。。。。

なっ!なんとパスポートが無いのです、疲れもありこんな事は今回が始めてだったのでかなり動揺したのです、
そして思い当たるプラハ中央駅のインフォメーションに焦って行くと、先ほどホテルの予約した時のにーちゃんがいて
パスポートの事を聞くと『ああ、これの事?』みたいな平然とあっけらかんとした表情!

もうこの態度にはさすがに怒りを覚え『お前俺が泊まっているホテルも判っているんだから、
パスポート見つけた時点でペンションに電話ぐらいしろやー』と、心の中で叫んで、そのにーちゃんには
『サンキュー、サンキュー』いいながらペンションへ。
この上記の2点でチェコ人は全く冷たいんじゃあないかと印象を持たれた方もいると思いますが、
ご安心下さい!ごくわずかですがフレンドリーな方もいるので。。。といいつつも
買い付けの時も無表情、無口店員さんが多いので正直辛い時もあります。
ホテルに着いてもその事で色々と考えてみると、やはり日本が特殊なのかなあと思います、
電車、バスにしろ注意を促すアナウンスの数々、外人さんが乗っていても乗り過ごしはないと思います。
その点やはり欧州は『そんなん自分で考えて気をつけておけ』といったとこなのでしょうか、
チェコという国は日本人がそのギャップに驚かされる国であると思います、日本人が得意としている、
多くを語らなくてもなんとなく心と心で会話するといった事が苦手なようです、それとも無口で無表情でも、
心で読み取れと言っているのかもしれません。
恵比寿で知り合いの経営している雑貨やさん『drop around』のお二人がチェコに買い付けに出かけたというので、
その後色々と話をしていると、商品の買い付けの話よりもチェコの人々の考えている事について同じ事を
感じていたようでその事ですっかり話がはずんだ事でした。

冒頭に紹介した『トラム』。 プラハの街を網の目状に運行し 運行路線も初心者にも判り易く親切。 停留所をお知らせする昔っぽいチャイムの音とチェコ語のアナウンスが何とも絶妙。そして何よりこのレトロなデザイン! 子供に帰れる懐かしさを与えてくれるのです。 (写真は全てLOMO LC-Aにて)

プラハの街の真ん中に大きなヴァルバタ川が走ります。有名なカレル橋など何本か北から南へと何本か渡っているのですが、そこから見る景色がまた絶景なのです。右には中世を思い浮かばせるような町並み、左には山にそびえるプラハ城。

これが、プラハのもうひとつの目玉、プラハ城。教会の中のステンドグラスの素晴らしい事! そして場内には黄金小道というアンティーク屋さんや雑貨屋がならんでいるのですが、ここにエイメクでもお馴染みのチェコのブックマークが売っているのです。右の写真はお城から町並みを写した写真、ここの景色も絶景。

そんな人がねえ。。。なんて理由も吹き飛ばす程、僕がチェコという国に惹かれてしまうのは、
上記の町並みや建造物、レトロかつ男心を引きつけられる雑貨達、も!ありますがやはり最も惹かれてしまう理由は
古い建物を上手く生かして作られたSHOP達なのでしょうか、特にお気に入りがホテルの近くのBARなのです、
築200年は経とうかというレンガ造りの建物を生かし空間を作り、他は特に飾る必要はない、
そこで直径 1Mはあろうかという大きな手巻き時計の針の音をBGMに、煙草の煙をくゆらせながら
チェコビールを口元に注いでいき、ジャーナルに今日の旅の一日を書き込んでいく。。。
その瞬間が僕にとっては至福の時なのです。

これは夢なのですが、酒類でも特にビール好きな僕は、日本で倉庫などに使用されていた
古いレンガ造りの1角を使って、チェコピルスナー、ギネス、コロナ、ハートランドの生ビールがある、
ビールバーをOPENして仕事で疲れた方や記誕生日のお祝い会に来た方達のお手伝いが出来ればなあ、
などと考えてしまう程、チェコにはお客様に対する空間の理想が 詰まっているのです。

自分が何故にこのような、歴史的な建築物や文化、アナログな部分を求めに海外へ出かけて行くのは、
今の日本のスピードの早さに戸惑っている自分がいるからなのでしょうか。
新しい文化を常にリードしている日本を外国観光客に伝える、それも大切な事であるとおもいますが、
やはり日本独自に築いて来た文化、心を大切にし、これらを国民全員が誇れて外国観光客に紹介したい。

少し古い話ですが、取り壊してしまった旧正田邸の様な建物も日本が誇る建造物として
世界に誇ってみてもよいのではないでしょうか。旅を続ける事によって、最近の僕の目標はもうひとつ、
こんな所にあるのかと気づいたのです、

横浜の小さな雑貨屋を通じて、ひとりひとりの方に、ただ物を買うスペースだけではなく、
真の心のゆとりとぜいたくを。そんな心のやりとり、日本のものづくりを、
今度は海外の方へ逆輸入が出来れば僕にとっては 最高の恩返しであると考えているのです。

プラハ国際空港より、経由地を経て成田へ。
『ああやっと大好きなあさりのみそ汁が飲める。。。。』

ベルリン プラハ編 完

 

店主