2011 春 ドイツ、イギリス買付け後記 part3

無事ロンドンについた僕たちは昔からオーナーがお世話になっているホテルにチェックイン。

このホテルはジャパニーズマダムがフロントとして働いているので言葉の心配はありません。

「はいはいはい、コダイラさんね、はいはいはいはい」

特にコミュニケーションがあるという訳でもないのですが、気心が知れているのでこの時がほっとする瞬間です。

長旅で買い付けてきたアイテムが沢山あるため広い部屋をとっているのですが、
荷物を入れ終わると部屋の中は異様な圧迫感に包まれます。

僕とsengeさんが荷物を片付けている間、オーナーは車を空港に返しに行き、
再び合流した後、この日はよく行くPUBで一杯飲んでからチャイニーズレストランでディナー。

いつもランチやディナーはオーナーがオススメの場所へ連れて行ってくれるのですが、
それが本当に美味しくて、このひと時が何とも言えぬ至福の時間なのです。

おそらく僕が誰かを連れてロンドンに連れてくることがあれば、
「あ、ここのPUBなかなかいいんだよねー」
なんて我が物顔でいっているのではないでしょうか。おっかないですねー

 

さてさて、話は買付けに戻す事にして、、

 

すでにnewsで読んだ方もいるかと思いますが、
オーナーが書いてくれたバス事件はこの次の日の事です。
僕からの言い訳話にしばしお付き合い下さいね。

この日の早朝は僕がまず単独でアンティークマーケットに向かいました。

日曜に開かれるこのマーケットは前回も行っているため、特に迷う事なく会場に到着。

早朝ですが既に来ているお客も多く、僕も急いで参戦です。
さすがにロンドンということもあり日本人の方も多くみられます。

買付けが少し長引いてしまったため急いでバスに乗り、電車を乗り継ぎウッドグリーンへ。

アレキサンドラ宮殿で行われるこのマーケットも規模は大きく、ロンドンのマーケットでも期待大。
既にオーナーは会場入りしているらしく、十時に間に合うように
電車の中でもバスの乗り換えなんかをチェックしておきます。

無事、宮殿行きのバスに乗り、ここまでスムーズに来れたため、ぎりぎり約束の時間には間に合いそうです。

バスの二階の一番前の座席に座り到着まで少しの間休憩です。
運転手のおっちゃんは陽気に口笛をかまし、時には大声でハミング。

「いいねー、これぞロンドンの休日だなあ」

なんて余裕しゃくしゃくで窓に頬杖つき、僕も口笛に合わせてふんふん言いながら外を眺めていると、

 

信号で止まった瞬間、、、

 

ドン! という音とともに車内がざわつきます。

それでもそんなに大きな音ではなかったので、特に席も立たずそのまま信号が青になるのを待っていた所、
信号が青になっても走り出しません。ようやく何か合ったのだな、と感じていると、

下の階から凄まじい罵声とまくしたてる英語。

もはや僕の英語のキャパシティを超えてしまっているため、下で何を話しているのかもさっぱり分からず、

恐る恐る下の階を覗いてみると、、、

さっきまであんなにご機嫌だったおっちゃんが
鬼のような形相で若いあんちゃんに怒鳴っているではありませんか。。。

どうやら信号で止まった際に後ろから追突されたらしく、、、

十分、十五分とバスが走り出す気配はありません。

そうこうしているうちにチラホラとバスを降りていく乗客も出始め、
僕も一旦降りるか、と考えているとちょうど警察も到着。

運転手のおっさんが仏頂面で二階にやってきて、皆降りろのゼスチャー。

仕方なくバスを降り、次のバスが来るのを待つことに。。。

あまり広い道路ではないうえにでっかいバスがどーんと止まってしまっているため、
後続の車も身動きが取れず完全な渋滞状態。

少し歩いて他のバス停まで行こうにも、降りた場所が分からないため現在地も分からず。。。

びくびくしながら運転手のおっちゃんに

「あのう、僕アレキサンドラ宮殿まで行きたいんですけどー」
と聞いた所、もの凄い剣幕で、

「知らねーよ!自分でどうにかしろ!」的な事を言われるはめに。。。

「おっさん、僕はね、あんたの軽快な口笛にハミングしていたんだよ。」
なんてもちろん言う事も出来ず、はい、すんませんすんません、とたじたじ引き下がる僕。

仕方なく他のバス停を探し会場までついたものの、時計を見ると既に11時半。。。

さらにそこには今朝まで優しかったオーナーの姿が、、、

この後の話はみなさんのご想像にお任せする事にします。

おそらく一部始終をカメラに収めていたら、オーナーもsengeさんも大爆笑してくれたことでしょう。

 

さてさて、三部に渡ってお送りしたkaruoの買付け後記、いかがでしたでしょうか?

 

あとは後半分で届いた買付けの商品で皆さんに喜んでもらうしかなさそうです。。。

しれっとした顔でアンティーク商品の紹介をしている僕をお店で見かけたら、是非つっ込んで下さいね!

こういう話でよければざくざく出てきますので、ぜひお楽しみに!

 

karuo