2012 冬のヨーロッパ紀行 後半
2012年 1月25日-28日 イギリス(ダブリン→エジンバラ→ヨーク)
ダブリンのホテルにて体調不良のまま目を覚まし、
早朝チェックアウトしたテルスケの置き手紙に目を通し自分の今後のスケジュールを再確認。
まだまだ日本には帰れそうにありません。
とりあえず、この身体の高熱を何とかしなければと思い、何を思ったのか自殺行為とも取れる行為に及ぶ。。。。。
『熱いバスタブにつかりしっかりと汗を流す』
案の定身体は余計フラフラになりベッドに倒れ込み、ふと時計に目をやるとチェックアウトの時間に。
スーツケースが重く感じてしょうがない、小雪のちらつく中牛歩で何とかダブリン空港に到着しエアリンガスのフライトでエジンバラ空港に到着。
嗚呼エジンバラ。。。。スコットランドの歴史を存分に感じられ首都にしては落ち着いた雰囲気があり
自分の中ではヨーロッパベスト3には入れたい素敵な街なのです。
(最近はエジンバラ動物園にパンダが到着し大きなニュースに)
3年ぶりに訪れ、早速お気に入りの店やグルメを目指して行きたい所ですが、今の自分には何よりも寝れるベッドが欲しい。。。。
バスを乗り継ぎ事前にネットで予約していた宿に到着
『良かった。。。ようやく暖かいベッドで寝れる』と出て来た兄ちゃんにチェックインを告げと。。。。。。。
『あら?ミスターの予約履歴はないです』。。。。。
『イ!!!?自分予約したってホラ』
顔色悪い中、必死の形相でプリントアウトしたフォームを見せると流石に旗色が悪くなったようで
『分かった、同じグレイドの部屋を近隣のB&Bで用意するから、まあ紅茶でも飲んでいてくれ』。。。。。
とにかく無事に今晩のベッドにありつける事に。
ベッドに吸い込まれるようにその日は就寝。。。
翌日、エジンバラ市内でレンタカーを借り、仕入れを済ませた後ぐぐっと南下。
300キロ走りヨーク州へ。
運転中もやはり意識が怪しい状態で、ついに病院行きを決断。
仕事で海外に行き始め9年目。
初めて使用するクレジットカードの保険、カード会社に連絡した所とても丁寧な対応で、
自分の症状(おそらくインフルエンザ)にあった病院を探してくれるとの事。
その晩カード会社から電話が鳴る。。。。 今泊まっている所は田舎すぎて病院がないので、その後の予定を聞かれて
大きな街の病院を紹介してもらいました。※1
泊まっていたのはヨーク州の『colton』コルトンというとても小さな町のB&B 『Walnut Lodge Accommodation』
(家族旅行、新婚旅行などでも非常にお勧めの B&Bです)
少々お高いですがキングベッド部屋が丁度空いていたので、
自分へのご褒美という事でエイメクスタッフには内緒でこっそり楽しもうと予約をしていたのですが、
幸か不幸かほぼ2日間自慢のキングベッドで寝たきりの状態でした。
丸二日間ゆっくりと休め、キングベッドの恩恵?もあり、ようやく病気は底を抜けたようです。。。。
と安心もつかの間、今晩より、嵐を呼ぶ男『デンジャラスボーイ』ことカルオ君と合流なのです。
2012年 1月29日-2月5日 イギリス(コルトン→ドンカスター→リンカーン→ノリッジ→マンチェスター)
ベルリンを回っていたカルオ君と合流を済ませた後、
日本にてお世話になっているK氏と予定外に出会う嬉しいハプニングもあり、ホテルも同じところ で宿泊。
楽しい夕食会も含め、上手く中和されたのかハプニングが起こりません。
翌々日K氏とはお別れし、僕らは東部の『Norwich』ノリッジにて滞在し
そこから『Manchester』マンチェスターを目指します!
距離は450キロ程、ここが終わればいよいよ帰国が見えてきます。
やる気を再度奮い立たせ走る事200キロ程。。。。雪がぱらついて来ました。
自分の経験上イギリスは。。。。ましてや中部は雪が積もる経験はなく、このまま走り切れるだろうと考えていた矢先。。。。。
雪がいよいよ本降りに。。。。。。※2
高速道路の案内板には『severe snow』 『spread salt』 『M6 Junction18-19 closed』など色々な警告が並びます。 ※3
『severe って何だ? 調べられる?』と聞くと
『僕のアプリに任せて下さい!』
アイフォン片手に自信満々のご様子。。。。。。。。。
なのだが待てども待てども返答が帰って来ない。
『M6 Junction 18-19 closed って これから通る道じゃないか? 迂回できるかちょっと地図見れくれるか!』
『は、はい!』
少し自信なさげに地図を覗き込む。。。。。。。。。
やはり待てども待てども返答が帰って来ない。
『もう!なんか面白い話してくれ!』
『。。。。』
まさかの大喜利振りに鳩が豆鉄砲のご様子。。。。。
もちろん待てども待てども返答が帰って来ない。
『なんか面白い話してくれ(笑)』
そうこう言っている間に路面には雪が積もりまくり、スリップして路肩にはみ出した車が満載。。。。
『そおいえばこのレンタカーもノーマルタイヤだな』
生唾を飲み込み思わず独り言が出てくる状況。
お互い会話も無くなり孤独なドライブを続けながら自分の苦い思い出がふと頭の中に。
10年前大雪の那須の峠をチェーン走行している時にスピンして対向車に激突した強烈な思い出が頭の中をかすめていきます。
故に雪のドライブはナーバスになってしまうのです。
道路の豹変した姿を目の当たりにしている?
カルオ君は何だか助手席でふらふらしてます。
『若干パニックになっているのか、それとも打開案を模索しているのか』
自分も運転に集中しないといけない為、ほぼ正面を向いてましたが、ふと顔を覗くと。。。。。。。。。。。。。。
寝てました(笑)。。。。。
後に往復ビンタの刑にあったのは言うまでもないですが。。。。。
そんなカルオ君も愛してくれるご両親を持つ身、異国の地で死なせる訳には行きません。
マンチェスターまではあと80キロなのですが、雪も止む気配がなく、陽も落ちて暗くなってきました。
ここで決断し、予約したホテルを諦め、サービスエリアのホテルに向かいます
(イギリスの高速道路はサービスエリアにホテルがあるのです)
しかしこの天候で急遽満杯に。。。。
こうなったら残り80キロを走り抜けるしかないのです。
コーヒーを飲み心を落ち着かせ再び高速道路へ。
正気に戻ったカルオ君に意思確認。
『覚悟しておいてくれ』と一言。
その後はカルオ君の目の色が変わり、苦手なナビゲーションを頑張り車内の雰囲気も盛り上げ
素晴らしい仕事ぶりを発揮してくれました。
現地時間午後7時40分、闇夜の吹雪の中遂にマンチェスターのホテルに到着。
死と隣り合わせのドライブは終わったようです。 ※4
『Eskdale Lodge』 (マンチェスターの空港にも近く、マンUのオールドトラフォードにも近いのでサッカー観戦の宿としてもお勧めです)
ここを目指してわざわざマンチェスター行ったのですが、雪の為出展者はスカスカ。勝負に勝って試合に負けた気分でした。
2012年 2月6日ー7日 (マンチェスター→エジンバラ→東京)
–あとがき–
最終日カルオ君とマンチェスターでお別れをし、自分は湖水地方を通りながらエジンバラで車を返却。
荷物の整理を終えて、一人打ち上げへ。
今回の旅程の閉めはやはりムール貝『Mussel inn』
ここの壷で蒸し焼きにするムール貝、その他シーフードは絶品。
スコットランドを訪れたら本当に行ってもらいたいお店です。
日本上陸を切に願うのですが、現在はグラスゴー店、エジンバラ店の2店のみ
(エジンバラは路面店が並ぶクイーンストリート沿いなので行き易いです。
近隣には素敵なカフェやパブも多いので2件目でコーヒーや本場スコッチをたしなむのもお勧めです)
※1 リンカーン市内の病院へ。
辞書で調べて自分のカルテを作っていったのですがボディランゲージ含めとても丁寧な対応で、なんと料金も無料でした。
※2 ホテルに着いてテレビを付けたら中部地方に大寒波が襲い、
中部は軒並み大雪に、そのニュースをひっきりなしにやっておりました。
※3 『severe snow』 シビアでした、これから酷い雪になってくるとの警告。
『M6 Junction 18-19 closed』イギリスの高速道路は工事、事故、悪天候も含めてすぐ閉鎖します。
※4 晩ご飯でまたまたカルオ君やってくれました。
ギネスビールを頼んだら何と運ばれて来たのはギネスパイ(ギネスビールを使用しシチュー仕立てで牛肉を煮込みそれをパイで包み、
どっさり山盛りポテトが添えられるパブにはよくあるメニュー)
『Pint Guiness』が『Pie Guiness』に聞こえてしまったようで、隣で僕は大爆笑。
カルオくん、頑張れ!雪道の疲れが出た事にしましょう。
昨今ついていけないスピードでグローバル化が進む中
ヨーロッパから日本へ商品を輸入する選択肢も増え、距離もグッと近づいているのかと思いますが、
僕らがやっている事はいまも尚アナログです。
一軒、一軒お店を回り、詳細を確認して仕入れます、遠くの街まで足を運んで成果が無い事もざらです。
見つけて来た宝物達をカルオ君がしっかりと割れないようにパッキングをして
無事に日本に届いた商品をディスプレイし、手に取ったお客さまの喜んだ顔を見れる事が、
旅の苦労も吹き飛び、何よりも僕らやお店を成長させてくれる一番の薬であると感じます。
更なるお客様の驚く顔を見たい為、よりマニアックな国へと探検を続けていきます!
kodaira